日本教育工学会論文誌
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拡張現実型マーカを用いた滑車配置実験のための学習支援システム
沖見 圭洋松原 行宏
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2013 年 37 巻 2 号 p. 107-116

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抄録

小中学校の理科の教育では,体験を通した学習が重要とされている.本研究では,体験的な学習を支援するために,AR技術を利用し,学習者自身が容易に実験環境そのものを構築することができる機能をもったシステムを開発することを目的とする.提案システムでは物理科目の滑車実験を題材とし,学習者は実験に使用する部品に相当するマーカを配置して環境の構築を行う.配置されたマーカの位置関係から滑車の組み合わせが判定されるため,学習者はマーカを手で動かして配置するという容易な操作で滑車実験が可能な仮想実験環境を構築できると考えられる.検証実験ではシステムの滑車設計機能についてユーザビリティを調査し,学習者や構築する滑車の組み合わせによらず,比較的容易な操作で構築作業が行えていることが確認できた.また,システムを用いて題材の理解度に対する実験を行い,システムが学習活動に役立つ可能性があることを示唆した.

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© 2013 日本教育工学会
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