2013 年 37 巻 Suppl. 号 p. 133-136
本研究では,ティーム・ティーチング(以下,TTとする)の授業形態において,同時通話のできるトランシーバーを用いて,教職経験のない大学院生(以下,学卒院生とする)が教員の大学院生(以下,現職院生とする)の発話を聴取可能にすることで,学卒院生の発話に与える効果について検証した.その結果,授業実践の経過と共に,学卒院生の学習者を指導する具体的な発話数が増加したことが確認された.また,学卒院生は指導の不安感が軽減し,学習場面に応じて発話を主体的に選択できるようになったことが明らかになった.以上から学卒院生が現職院生の発話を聴取可能にすることにより,効果的な発話の情報を獲得できることが示唆された.