2018 年 41 巻 Suppl. 号 p. 225-228
大学教員が,持続的に教授活動を改善するためには,自分自身の教育実践を分析できる能力を涵養することが有効である.そこで本研究では,大阪大学のプレFD である「大学授業開発論Ⅲ」において,教育実践研究を計画するプログラムを試行し,それらの評価と課題を検討した.その結果,受講生の教育経験によって,教育実践研究計画のテーマの質が異なることが明らかになった.また,受講生自身が,SoTL は教授活動改善の根拠になると認識し,教育実践と教育実践研究業績の相乗的向上に寄与すると意義付けていることが示唆された.計画を実行に移すためには,プログラム修了後にコミュニティの構築を支援することが課題として示された.