本研究では,フレンドシップ事業における体験活動を通じた教職志望学生の学びの過程を明らかにすることを目的とした.フレンドシップ事業に参加した学生にインタビュー調査を実施し,そのデータを「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ」(M-GTA)で分析した.その結果,次の点が明らかになった.1)学生は多様な参加動機をもちながらフレンドシップに参加していた.2)活動を通じて,3つの側面(「子どもが参加する活動の企画」,「子どもとのかかわり」,「反省」)の学びを得ていた.その間,失敗を体験しつつ,他者からの影響を受けた.これら3つの学びは,子どもの成長を意識することで「子どもに寄り添う活動の企画」,「子どもに寄り添う活動の支援」,「次に活かせる反省」へと深まりを見せていた.3)このような経験を通して,学生は自分なりに実践を工夫していくとともに,自身の教育に対する認識を広げていった.