本研究では,10代から70代までを対象に2時点のパネル調査を行い,インターネット(以下,ネット)の利用がオフラインの対人関係及び心理的引きこもりに及ぼす影響関係を,青年期,成人期,老年期の世代間で比較することを目的とした.その結果,世代により,ネットの利用,オフラインの対人関係,心理的引きこもりの各変数に差異が認められた.また,ネットの利用がオフラインの対人関係及び心理的引きこもりに及ぼす影響として,青年期で,一部のネットの利用がオフラインの対人関係を低下させ,心理的引きこもりにつながる可能性が示唆された.その他では,おおむね,ネットの利用が多いほどオフラインの対人関係が増加し,心理的引きこもりが低下することが認められ,ネットの利用が心理的引きこもりを低減する可能性が示唆された.