本研究では,技術科教育における協同作業の負の側面の認識と,自己効力感,創造的態度との関係を検討した.中学生計736名の質問紙調査データについて階層的重回帰分析を行った.その結果,生徒が一人での作業の方がよいとする「個人志向」への,自己効力感,創造的態度の影響が確認された.特に自己効力感の「失敗に対する不安」が高い場合,「個人志向」も高いことが明らかとなった.また,「個人志向」に,自己効力感の「行動の積極性」と創造的態度の「積極性・自信」の交互作用項からの正の影響が確認され,「行動の積極性」を高めつつ,「積極性・自信」が「個人志向」に結びつくことを抑制することの重要性が示唆された.