2020 年 44 巻 2 号 p. 253-264
初等中等教育において情報の発信者を意識させる取り組みが行われているにもかかわらず,その教育を受けたはずの大学生の多くがインターネットニュースの発信者を意識しない.その原因の1つは,インターネットニュースの発信者を漠然と捉えている大学生が少なくないことにあるのではないかと考えた.そこで,本研究では,その可能性を想定し大学生にインターネットニュースの発信者を意識させる授業をデザインした.インターネットニュースの発信者の構成は情報の発信者の構成を反映しており類似関係にある.本授業は,大学生にこの類似関係に気づかせ,初等中等教育での情報の発信者についての学習経験から類推させて,「インターネットニュースの発信者も意識するとよい」という解を生成させようとするものである.2大学で授業実践した結果,発信者を意識させることができるよう授業デザインされていることが確認され,前述の想定を裏づける傾向も示された.