2021 年 44 巻 4 号 p. 377-386
地震や台風など災害の多い日本において,国民の防災に関連した知識や技能の習得は最も重要な課題の一つである.また,防災教育では,学習直後ではなく,災害場面まで学習が持続している必要がある.そのため本研究では,ゲームを取り入れた遊びながら防災に関連する知識や技能を学ぶことが出来る防災教育イベントを通して,小学校児童の防災知識の学習に関する向上効果の持続についての検討を行った.調査では,2019年度の防災教育イベントの終了後およびその半年後に,ポストテストとレイターテストと呼ばれるペーパー形式の確認テストを行い,その得点を用いて学習効果の持続を測定した.その結果,防災教育イベントの後,一定の期間が経過していても,防災に関連する知識や技能の向上効果は持続していることが確認された.