本研究では,「学習者全員が学習目標を達成することを目指し,自由に学習方略を決めることができる学び」を「個に応じた学び」と定義し,「個に応じた学び」を保障する学習デザインが児童の音読技能の向上に与える効果を調べた.実践では,小学6年生を対象に,モデル音声を再生できるタブレット端末や音読補助教材を活用可能にする,個人・協同での学習に制限を設けない等,学習方略を自由に選択できる環境で英語の音読練習を帯活動として行い,音読技能の変化と学習者の学びの実態を調査した.その結果,学習者全体の音読の発音・抑揚・速度の技能が有意に向上した.また児童がO’MALLEY et al. の分類による認知ストラテジーや社会・情意ストラテジー,メタ認知ストラテジーの学習方略を自発的に用い,自らの学びをコントロールして学習する様子が見られた.以上のことから,本研究の「個に応じた学び」を保障する学習デザインにおいては,学習者が自分に適した学習方略を主体的に決定して学びを進め,音読技能を向上させたことが明らかとなった.