日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
Print ISSN : 1349-8290
ISSN-L : 1349-8290
論文
プロアクティブ行動がリフレクションを媒介して職場における能力向上に及ぼす影響
20代の若年労働者に着目して
田中 聡池田 めぐみ池尻 良平鈴木 智之城戸 楓土屋 裕介今井 良山内 祐平
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 45 巻 2 号 p. 147-157

詳細
抄録

個人が自己や環境に能動的・主体的に働きかけて組織適応を図るプロアクティブ行動は,業務能力向上など職場における能力向上を促すと言われているが,そのプロセスについては明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,若年労働者のプロアクティブ行動が職場における能力向上に与える影響を,リフレクションの媒介効果に着目して検討することであった.国内企業に勤務する20代942名(平均26.6歳, 女性46.0%)に調査を実施した.因子分析によってプロアクティブ行動がフィードバック探索行動,組織情報探索行動,ネットワーキング行動から成ることを示した上で,それらがリフレクションを媒介して能力向上に与える影響を検討した.パス解析の結果,フィードバック探索行動と組織情報探索行動がリフレクションを媒介して,職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.以上の結果から考えられる本研究の意義と今後の課題について検討を行った.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本教育工学会
次の記事
feedback
Top