本研究では,1人1台の端末を使用した集団活動の際に,発達障害児童にみられる行動特性を,他者の発表を聞く時間における逸脱行動に焦点をあてて検討した.その結果,発達障害児童には,端末を見る・触るという逸脱行動が出現しやすく,それらを低減させる方策が必要となると考えられた.これを受け,端末で作業するスペースと発表に取り組むスペースを分けるといった,視覚的なわかりやすさが伴う,実施環境の配慮を行い,再度,他者の発表を聞く時間における逸脱行動に焦点をあてて検討した.その結果,実施環境への配慮は,1人1台の端末を使用した際に,発達障害児童に出現しやすい逸脱行動の低減に寄与する可能性が示唆された.