本研究では,人に教えるために書く活動において,その文章を書く方略を変えた理由や契機を明らかにする.その前提として,初期と19ヶ月後における書くための方略の出現単語の傾向から分析した.その結果,初期と19ヶ月の時点に差が見られた.そのため書くための方略を変えた理由や契機の自由記述をKJ 法で分類し,4つのカテゴリが生成された.「評価の意識」は学習評価に関わるもの,「失敗の予期や経験」「他の参考」は試行錯誤によるもの,「学びの気づき」は取り組むことの気づきに関わるものであり,それらによって書く方略を変化させたことが示唆された.