2022 年 46 巻 4 号 p. 653-666
本研究では,2020年前期のコロナ禍初期のオンライン授業におけるICT ツールの利用状況に基づいて授業方法の類型化を行い,その類型と学生の受講態度の関係について検討した.大学教員529名を対象に,オンライン授業を「講義科目」「演習・実習科目」「ゼミ・セミナー科目」の授業形式に分けて調査を行った.まず授業形式ごとに,各ICT ツールの利用の程度を指標としたクラスタ分析を行い,それぞれ3~4類型を抽出した.次に,各類型の性質を知るために,専門分野などの個人要因,ソーシャルサポートなどの環境要因との関連を確認した.さらに,授業形式ごとに,オンライン授業の類型と学生の受講態度との関連を検討した.その結果,いずれの授業形式においても,学生の受講態度を高めるためにはリアルタイム主体型かオンデマンド主体型かという区分ではなく,その授業の双方向性が充分に担保されているかが重要であることが示唆された.