2023 年 46 巻 Suppl. 号 p. 77-80
本研究では,日本語指導が必要な児童が在籍学級の授業に参加するための支援を検討するために,小学校の通常学級の算数科の授業場面における教師の発話を対象とし,そこで用いられている語彙の特徴を検討した.その結果,教師の発話には,算数科の教科書に掲載されている語彙だけでなく,国語科の教科書に掲載されている語彙が使用されていることが明らかとなった.このことから,日本語指導が必要な児童を在籍学級の授業に参加させるためには,算数科の授業でも国語科の授業でも用いられるような,教科の枠を超えて使用される語彙を習得させる必要があることが示唆された.