本研究は,小学校高学年児童を対象に,1人1台端末を活用し,学習者の意見文と意見文産出方略(以下,方略)の相互参照を通して,学習者の意見文と意見文に対する意識の変容について検証した.ルーブリック評価や質問紙の結果から,意見文と方略を相互参照することで,意見文の評価得点が向上すること,文章の構成を考えて書く,他の視点も書く,読み手にどう伝わるか気をつけて書く,という点を意識していたことが明らかとなった.その後に,相互参照なく意見文を作成しても,低下がみられなかったことから,相互参照により他の学習者から方略を獲得し,使用すること,相互参照がない場合でも獲得した方略を継続的に使用することが示唆された.