2024 年 48 巻 1 号 p. 179-190
本研究では,中学校技術科「D情報の技術」においてプログラミングの基礎的な知識・技能を学習する教材としてコーヒーメーカーモデルを開発するとともに,授業実践を通して教材の効果を検討した.教材は,Scratch3.0で記述されたプログラミングをmicro:bit v2により実行して4種類のコップを判別する仕様とした.コーヒーメーカーモデルにブロック化されたセンサを取り付けることにより,センサの働きとカップの種類に基づいたアルゴリズムやプログラミングを構想・検討できる.中学2年生56名を対象に6時間の授業を実践し,生徒に意識調査を行った結果,アルゴリズムを考えて表す授業の学習状況が良好で,対応する質問項目の回答が肯定的であった.また,ブロック化したパーツを適切な位置に取り付ける学習活動や,コーヒーメーカーの製品モデルを構成する一連の学習活動を含む授業計画に対して肯定的な意識を持ったと解釈できた.