日本教育工学会論文誌
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教育実践研究論文
地形の理解に基づいた浸水予想における3DCGと実物模型の有用性
飯田 和也久保田 善彦
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2024 年 48 巻 1 号 p. 191-205

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抄録

本研究では,地形の理解に基づいた浸水予想に着目し,3DCG教材と実物模型教材が地形の理解にどのような影響を与えるのか検討した.授業実践の結果から,以下の3点の知見が得られた.1点目は,教材単体での効果である.統計分析の結果から,谷や台地などの特徴的な地形に関しては,どちらの教材でも平面地形図に比べて有意に浸水予想が正確になることがわかった.2点目は,教材の組み合わせによる効果である.両教材を使用することにより,台地上の窪地などの微地形における浸水予想が,単体での観察に比べて正確になることがわかった.3点目は,地形の理解に与える影響の違いである.計量テキスト分析から,3DCG教材は拡大・縮小できる点が,立体模型教材は触覚を用いる点が,地形の理解に有用だったことが示唆された.

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© 2024 一般社団法人日本教育工学会
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