日本教育工学会論文誌
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論文
GIGAスクール構想の進捗における成果や課題に関する教職経験に基づく教員の意識
榊原 範久阿部 雅也関原 真紀大島 崇行桐生 徹水落 芳明
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2025 年 49 巻 1 号 p. 43-54

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抄録

本研究は,GIGAスクール構想の進捗に伴い,子どもや教員にもたらされた成果や課題に関しての教員の意識を調査した.そして教職経験年数に着目して分析し,教員の意識の実態を明らかにすることを目的とした.調査対象の公立小中学校・特別支援学校教員289名を若手,中堅,ベテランの3群に分類した.質問紙調査において,質問ごとに見ると,ベテラン群はGIGAスクール構想の成果の項目で値が高く,中堅群は課題の項目の値が高かった.計量テキスト分析では,全群共通で子どもたちの成果として「タブレット端末」「活用」「学習」,課題として「タブレット端末」「ルール」「情報モラル」の語が抽出された.そして教員の成果としては「活用」「授業」「ICT」,課題は「活用」「差」「ICT」の語が抽出された.そして,中堅群はタブレットの活用の効果について実感し,若手群は情報モラルの問題を挙げ,ベテラン群は自身の情報活用能力の不足についての記述が見られた.

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