2025 年 49 巻 2 号 p. 197-209
大学から仕事・社会への移行 (トランジション) を見据えた大学生の学びと成長の研究において,在学中の学びが結実した卒業時点の学習成果が,職場での能力発揮にどのような影響を与えるかは十分に明らかにされていない.そこで本研究では,大学4年間の学びと成長 (主体的な学習態度,アクティブラーニング外化,ラーニング・ブリッジング,将来と日常の接続) が学習成果 (大学生活充実度,学習成果) を介し,職場での能力発揮 (プロアクティブ行動) に与える影響を明らかにすることを目的に,卒業時点と入社6か月目の2時点の縦断調査を行った.共分散構造分析の結果,1) ラーニング・ブリッジング,将来と日常の接続は大学生活充実感につながるが,大学生活充実感はプロアクティブ行動にはつながらないこと,2) 主体的な学習態度,アクティブラーニング外化,ラーニング・ブリッジング,将来と日常の接続は学習成果を介して,プロアクティブ行動につながることが明らかになった.