2025 年 49 巻 2 号 p. 211-221
本研究では,アクティブ・ラーニング型授業において「指導者」として授業を進行する学生アシスタント (SA) に着目し,彼/彼女らの受講生への学習支援や教員の支援がどのような影響をもたらすかを検討した.その結果,教員の受講生に対する支援がSAの活動を促進することや,SAによる授業進行がSAの対受講生の支援を促進すること,さらにはSAの対受講生の支援が教室の心理的安全性および受講生の自己効力感を媒介して,あるいは直接的に科目の成果に正の影響を与えることが示された.その一方で,教員による対SA支援はSAの対受講生のグループ活動支援を直接的に阻害することや,SAによる対受講生のグループ活動支援が受講生の科目に対する意欲を直接的に減退させることを確認した.教員は適切な距離でSAを補助することで受講生の意欲を調整する役割を持つことや,SAは受講生の模範として授業内外の支援をすることで受講生の科目の成果を高めることが期待される.