日本教育工学会論文誌
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意味理解を重視した宿題の開発と授業との連動
高校数学を対象として
太田 絵梨子山野井 俊介
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論文ID: 43040

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抄録

学習する際,暗記や反復のみに頼るのではなく,「なぜそうなるのか」といった意味を理解することが重要とされる.とりわけ高校数学のように複雑化した内容の場合,授業時間だけで理解するのは困難であることから,授業外学習も含めた学習サイクル全体を通じて意味理解を促す必要があるだろう.本研究の目的は,授業と連動させる形で,公式や定理が成り立つ理由の説明を促す宿題を開発し,学習成果との関連や学校現場における実行可能性について検討することである.実践にあたり,(1)各授業で理解すべきポイントの明確化,(2)授業と宿題における説明活動の連動,(3)丸暗記や丸写しを防ぐ課題設計の3点を工夫した.実践の結果,学級全体としては介入の効果が認められた一方で,一部の生徒には介入の意義が伝わらず,学習成果につながらなかったことが個別の事例から確認された.以上の結果を踏まえ,本研究の限界と今後の展望について考察した.

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