論文ID: 46029
本研究では,オンライン授業におけるジグソー法について,すべての学習活動を授業中に行う授業中実践と,一部を事前学習として行う事前学習実践を実施した.各実践における学習活動の時間や授業形態の好みや参加している感覚などについて,それぞれの実践に対する学生の認識とオンライン授業でのジグソー法のやりやすさに関する学生の認識を検証した.その結果,エキスパート活動の議論時間について二つの実践間で違いを感じていた可能性,事前学習実践のほうが学習効果があると感じる一方で授業中実践を好むこと,オンラインツールや学習活動の一部にやりにくさを感じていたことが確認された.これらに基づいてオンライン授業でのジグソー法の授業設計・運営について考察し,一部の学習活動を事前学習とすることで時間を確保できうること,ワークシートや事前学習の設計における注意,議論の仕方のルールや方法の明示といった知見が導出された.