論文ID: 47016
研究の目的は,高等教育におけるライティングセンターの同期型オンラインチュータリングに関するチュータリング方略を明らかにすることである.調査の結果,チュータリング方略の手順として準備,導入,展開,まとめの4段階で構成される7つのステップが抽出され,対面と大きな差がないことが示された.チュータリング方略の構成要素としては「対面と異なる観察や質問を通して,学生の躓きや理解度を把握しようとしている」「画面を通したセッション特有の良さと課題を認識し,対応方法を選択する」「システムトラブルに関して問題なく対応しようとしている」等,6つを導き出した.チューターは学生の視線やキーボードの入力音等,対面とは異なる方法で非言語的側面にも配慮しながら,学生の理解度や躓きを把握し対応するといったオンラインチュータリングならではの方略をとっていることが示された.