論文ID: 48008
本研究では,GIGAスクール構想の実施前から児童生徒1人1台のICT端末の活用に取り組んできた自治体を対象に,ICT端末を活用した児童生徒の課題や目的に応じた学習活動に着目した.第一に,小5〜中3の児童生徒の情報活用能力の特徴および教員のICT活用指導力について比較分析した.第二に,教員のICT活用指導力について,学校種,年齢,教員歴,公私における端末利用経験年数別に分析した.その結果,次の特徴が明らかになった.1) 小学5,6年生に比べて,中学生の方が情報活用能力を有していると自認していた.2) 課題や目的に応じた学習活動について,教員が指導できるという自認よりも,児童生徒ができると自認している方が有意に高い傾向にあった.3) 小学校教員に比べて中学校教員の方が,ICT活用指導力を有していると有意に自認していた.4) 教員のICT活用指導力は,教員歴の中群,公私における端末の使用歴は高群の方が有意に高く自認していた.