日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
Print ISSN : 1349-8290
ISSN-L : 1349-8290
デザイナー組織のチームワーク向上に向けたフォロワーシップ研修の設計と有効性の検証
鷲谷 佳宣当麻 哲哉
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 49105

詳細
抄録

研究は,デザイナー組織におけるフォロワーシップ向上手法の設計と有効性の検証を目的とした.フォロワーシップの3要素(批判的行動,積極的行動,配慮的行動)に基づき,デザイナー組織特有の業務特性を考慮した半日研修と6ヶ月間の実践プログラムをA社デザイナー12名に実施した.その結果,フォロワーシップとチームワークが向上したことが実証された.特に美術大学での講評経験の捉え方が,批判的行動の発揮に影響を与えるという新知見を得た.美術大学出身者の中にも講評を「成長機会」と捉え初期から批判的行動を発揮できるグループと,「一方的評価」と捉え批判的行動に困難を示すグループが存在した.本研究は「学びの場のデザイン」の枠組みと組織行動理論におけるフォロワーシップ概念を統合し,専門教育と組織行動の領域をつなぐ視点を提供するとともに,デザイナー組織における効果的な人材開発手法の実践的な知見を示している.

著者関連情報
© 2026 一般社団法人日本教育工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top