部分摘葉がヒノキコンテナ苗の水分状態および木部の水分通導に与える影響を明らかにするため,7月に地際から相対苗長75%の高さまでに分枝する側枝を切除し,苗への潅水停止の前後でシュートの水ポテンシャル,主軸木部の通水阻害率および各器官の乾燥重量を測定し,対照区の個体と比較した。潅水停止後6日目に対照区の全個体で水ポテンシャルが計測不能となり枯死したが,摘葉個体では5個体中4個体が生残し,個体当たりの葉重が小さいほど水ポテンシャルが高かった。摘葉個体の通水阻害率は個体によるばらつきが大きく,摘葉処理により木部で局所的に通水阻害が生じたと考えられる。以上より,摘葉処理は,わずかな通水阻害の発生を伴うものの,摘葉量に応じた個体の脱水遅延効果があることが明らかとなった。