神奈川県藤沢市の南部に位置する川名緑地の保全を目的に活動を展開しているボランティア団体に「川名里山レンジャー隊」があり,学生が中心となって森林環境教育を実施している。この教育活動は「谷戸探検」と呼ばれ,児童を対象に自然を身体で感じてもらう教育活動である。本研究の目的は,このレンジャー隊が行ってきた谷戸探検の15年間分の実施記録から,谷戸探検の活動内容の変遷とともに教育活動に対する学生指導者の視点の変化を分析し,学生が主体となって実施される森林環境教育活動上での学生視点の留意点について,主に安全面や事前確認の観点から考察することである。そこで,指導者の学生によって記録された実施記録のテキストマイニングによる解析を行った。その結果,学生が主体となって行う森林環境教育活動での留意している点として,参加者の怪我,プログラムの時間管理,参加者の健康管理,参加者に合わせた移動速度を中心に捉えていることが考えられた。その一方,学生主体であると,メンバーの入れ替えが毎年行われるため,学生視点の安全面や健康管理に関する留意点が引き継がれない可能性もあることに注意を払わなければならない。