森林内におけるRTK-GNSS測量の水平誤差およびその誤差の低減に受信機の設定が及ぼす影響を明らかにすることを目的として,愛知県にある豊田市市有林2カ所にて調査を行った。その結果,RTK-GNSS測量の水平誤差は中央値が0.878 m,最大値が4.011 mであり, DGNSS測量よりも小さかった。この誤差の低減に,SNRと測位時間はほとんど貢献しなかった。また,仰角25°未満の衛星を測位演算から除外した場合,誤差はわずかに小さくなったが,最大で4 mを超えることもあった。森林内の所有界の境界測量において,許容誤差は0.9 m以内と考えられることから,森林内におけるRTK-GNSS測量では,この精度を満たさない場合があると考えられた。