日本森林学会誌
Online ISSN : 1882-398X
Print ISSN : 1349-8509
ISSN-L : 1349-8509
論文
植栽時期の違いがスギコンテナ苗の植栽後1年目の活着と成長に及ぼす影響
山川 博美重永 英年久保 幸治中村 松三
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 95 巻 4 号 p. 214-219

詳細
抄録

コンテナ苗の通年植栽の可能性および裸苗との成長比較を行うため, コンテナ苗を時期別 (12月・2月・5月・8月・10月) に植栽するとともに, 通常の植栽時期である2月には裸苗も植栽し, 活着率および植栽1年目の成長量を比較した。コンテナ苗の活着率は, すべての植栽時期において94%以上であり, 2月に植栽した裸苗と同等かそれ以上であった。コンテナ苗と裸苗の成長量は, 同程度であった。また, 生育期間の途中で植栽した苗木は, 5月植栽の個体で直径成長が小さい傾向がみられたが, 植栽当年から植栽後の生育期間の長さに応じて成長していた。コンテナ苗は1年を通して高い活着率を示し, 生育期間の途中に植栽したとしても植栽当年から成長していた。したがって, 翌春からの成長が通常の植栽スケジュールで植栽した場合と同等以上であれば, 時期を選ばず伐採後すぐに植栽することができ, 伐採から植栽までの一貫作業システムの実現において, コンテナ苗の利用は有効であると考えられた。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top