超音波医学
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症例報告
部分胎盤遺残の保存的管理における子宮動脈PI変化
松本 賢典南川 高廣五日市 美奈生野 寿史西島 浩二榎本 隆之
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2021 年 48 巻 6 号 p. 389-393

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抄録

正期産での分娩後に発生した胎盤遺残の保存的管理は,妊孕能温存希望がある場合に選択される.今回,我々は完全保存的に管理し得た正期産分娩後の部分胎盤遺残 3症例における,血中β-hCG値の推移と子宮動脈拍動指数(pulsatility index: PI)について検討した.3症例ともに血中β-hCG値の半減期は5日程度であり,通常の正期産分娩後と比べて延長していた.子宮動脈PIはいずれも胎盤付着側で低い傾向にあり,分娩後時間依存的に上昇し,特に胎盤付着側の子宮動脈PIが1.5以上となった後に,遺残胎盤の排出がみられた.保存的管理を行う際,子宮動脈PI計測は遺残胎盤が自然排出される予兆としての意義がある可能性が示唆された.

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© 2021 公益社団法人 日本超音波医学会
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