超音波医学
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総説
頸動脈の狭窄および閉塞の超音波診断
竹川 英宏津久井 大介小林 聡朗鈴木 圭輔濱口 浩敏
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2024 年 51 巻 4 号 p. 159-172

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抄録

頸動脈超音波検査法は,内頸動脈(internal carotid artery: ICA)および椎骨動脈(vertebral artery: VA)の狭窄または閉塞の有無を診断することに加え,直接観察できないICAの遠位部,中大脳動脈(middle cerebral artery: MCA)および脳底動脈(basilar artery: BA)の狭窄や閉塞の存在を推測することができる.ICA起始部狭窄は,主にパルスドプラ法で評価する収縮期最大血流速度(peak systolic velocity: PSV)を用い,200‐230 cm/s以上が高度狭窄を示唆する所見となる.また近年では,ICA起始部狭窄症の診断に収縮期加速時間の有用性が報告されている.遠位ICAまたはMCAのM1セグメントの閉塞は拡張末期血流速度(end-diastolic: ED)比(ED ratio)で存在を予測することが可能である.VA起始部やV1セグメントの狭窄はPSVで診断ができ,時間平均最大血流速度およびその左右の比,血管径の比を使用し,VAの遠位部閉塞を予測することができる.さらにBAの狭窄または閉塞の診断にVAの拍動係数と抵抗係数の有用性が提案されている.本レビューでは,頭蓋内動脈と頭蓋外動脈の狭窄および閉塞の超音波検査診断基準について概説する.

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