抄録
【目的】COVID-19 感染拡大予防のために非対面形式で看取りを行った家族の体験を明らかにすることである。【方法】対象は2021年に非対面形式で看取った経験がある家族4名とし、インタビューは非対面形式で看取り体験を語ってもらった。インタビュー内容は質的帰納的に分析した。【結果】家族の体験は163のコードが抽出され、31のサブカテゴリ、5つのカテゴリに分類された。家族の体験として《限られた関わりの中でも叶えられた最善の看取り》《限られた関わりの中でも感じられた患者とのつながり》《制限のために阻まれた患者との希望する最期》《患者の死を受容するために必要であったこと》《オンライン機器を活用した看取りの有用性と限界》が示された。【結語】家族はCOVID-19流行下での患者と十分に面会できないことによる看取りの限界を感じつつも面会制限を肯定的に捉え、制限はあったが最善の看取りができたと感じていた。