2019 年 3 巻 論文ID: 2019-001
平成31年度より開始となる改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した実務実習に備え,実習施設である病院の薬剤師が主導となってルーブリック評価表を作成し,トライアルを行った.平成29年度3期からの1年間に当院で実習を行った計35名の実習生を対象としてルーブリック評価を試行した.評価値はいずれも実習経過に沿って上昇し,参加した薬剤師全員,実習生もそのほとんどがルーブリック評価への理解が向上した.評価項目の「具体例」が評価を行う上で有用であった.一方,最終評価が実習中に到達すべき基本目標の段階に到達しなかった実習生が半数以上存在し,薬剤師と実習生で最終評価に乖離がある程度みられたことから,評価項目や到達目標を密に共有する必要があると考えられた.臨床の場で働く薬剤師がルーブリック表をはじめとした目標を作成,評価を実践することが新評価体制のスムーズな導入のカギであると思われる.