2025 年 9 巻 論文ID: e09033
有機化学は多くの薬学部生にとって難しい科目であると認識されている.そこで我々は,モバイル端末対応「構造式かるた」アプリケーション(以下,かるたアプリ)を開発した.本研究では,かるたアプリを活用した有機化学学習に対する有用性及び改善点,活用に適正のある学生の特性を明らかにすることを目的とし,薬学部生を対象にアンケート,知識習得度試験を実施した.プレアンケートを用いたクラスター解析により学生を4群に分類した結果,化学が嫌いであっても,本アプリに興味を示し,普段からゲームを行っており高得点を取ることに熱中できる群が,かるたアプリの利用率が高かった.一方,知識習得度試験結果の前後比較では統計的な有意差は示さなかった.かるたアプリは学習意欲促進に一定の有用性を示したが,学修成果の向上には,正課授業との関連付けや教員から定期的に働きかけるような学習の継続を促す仕組みの設計が必要と考えられた.