日本公衆衛生看護学会誌
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研究報告
事例検討における質問の特徴からみた高齢者のアセスメントの視点
―新任期保健師研修を通して―
塩川 幸子藤井 智子神戸 愛水口 和香子山下 千絵子
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2024 年 13 巻 1 号 p. 22-30

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抄録

目的:保健師の事例検討における質問の特徴からみた高齢者のアセスメントの視点を明らかにする.

方法:新任期・プリセプター・管理期の保健師25名を対象に,高齢者5例の事例検討における質問を質的記述的に分析した.

結果:質問の特徴として,《本人・家族の生活力》には【暮らしの中で必要な生活動作】,【社会生活の営みの中の困りごと】,【高齢世帯を支える家族の構造とつながり】,【家族の問題認識と対応力】,【暮らしを支える環境とのつながり】が挙げられた.《健康維持力》は【食べる力】と【健康状態の経過】,【医療につながり途切れない力】,【主治医の判断】をみて,《支援の方向性》として【在宅生活の見通し】を検討していた.

考察:生活力と健康維持力を関連させ,今後の在宅生活の見通しを立てることが高齢者のアセスメントの視点として示された.これらの視点の活用を促すことが,新任期保健師のアセスメント力向上につながると考える.

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© 2024 日本公衆衛生看護学会
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