日本植物病理学会報
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カブモザイクウイルス外被蛋白の特性
崔 璋京脇本 哲
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1979 年 45 巻 1 号 p. 32-39

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抄録
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むポリアクリルアミドゲルでのカブモザイクウイルス(TuMV)外被蛋白の電気泳動は3本のバンドを示す異質性を示した。Light form (LF), middle form (MF)およびheavy form (HF)と名づけた各蛋白質の分子量は24,000, 26,000および33,000であった。これらのうち,LF蛋白は長期間凍結(-21Cで1週間)した罹病カブ葉から得た純化ウイルスを用いた場合にのみ生じた。MF蛋白は純化ウイルスの保存の間に蛋白質分解酵素の作用によってHF蛋白から生じた変性物と思われた。数種の異なる濃度のSDSボリアクリルアミドゲルでTuMV蛋白を電気泳動すると,HF蛋白においてはその移動度が変化し,表面荷電が影響することを示した。アミノ酸およびペプチドマップ分析の結果,TuMV外被蛋白の各subunitは約239のアミノ酸残基から成り,約27,500の分子量を持つことを示した。
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