抄録
札幌市近郊のホウレンソウ畑30圃場における実態調査の結果,Aphanomyces cochlioidesが多く検出される根腐病多発生圃場では,土壌pHが中性域(6.5-7.5)でかつ硝酸態窒素含量は欠乏域(50ppm以下)にあることが認められた。次に,根腐病発生に及ぼす土壌硝酸態窒素並びに土壌pHの影響をポット試験で検討した。その結果,高い感染ポテンシャル下ではpHの影響は判然としなかったのに対し,硝酸態窒素の施用はいずれの接種方法においても発病株率を低下させ,とくに土壌溶液中の硝酸態窒素含量約200ppm以上で著しかった。以上のことから,根腐病の発生には土壌pHに比べ硝酸態窒素含量がより密接に関与しており,欠乏域で多発生することが判明した。