抄録
座位保持姿勢を得ることが困難な重度脳性麻痺症例,特にアテトーゼ型に対して不随意運動を抑制し座位姿勢を確立させることを目的としての座位保持装具(Sitting support orthosis)を作製し,日常生活の場で使用しその成績を検討した.採型に際してリラクセーションが最も良く得られる姿勢や機能的な四肢躯幹の位置について,両親やリハ・スタッフから情報を得ることが大切である.採型は採型装置を用いて陰性モデルを作製する.次にギプスで作られたシートを用いて仮合わせを行なう.過去5年間に重度脳性麻痺症例に対して26個の装具を作製した結果,異常緊張の軽減が得られ,上肢機能の向上や訓練に対する意欲の向上も観察された.