上肢不随意運動の定量化を目的に,つまみ圧(Force)と位置の変化(Position)が経時的に測定できる装置を開発し,正常対照群・患者群各20例に使用し,次に示される結果が得られた.
1.動的機能の指標と考えられるRising TimeとTime Delayに関しては,対照群,患者群間の同一負荷量における各値に有意差は認められなかった.
2.つまみ上げ動作によって得られるパワー・スペクトルでは,対照群に比し,患者群では,パワーの増加,重心の位置および最大周波数のいずれも有意の増加を認めた.
3.患者群では,疾患の種類によりパワー・スペクトルのパターンが異なる傾向を示した.
4.負荷の増加に伴う周波数の変化は,対照群のForceのみに有意で,患者群では変化はみられなかった.
以上より,上肢不随意運動の客観的評価法としての本法の有用性が示唆された.
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