抄録
歩行再建では社会生活を見据えつつ,歩行の基盤となる機能レベルの底上げを図り,障害の残存を考慮して装具などを用いた新たな動作を学習することになる.その実践には運動学習の理論に基づいた高強度・高密度でのリハビリテーションが不可欠である.われわれが開発したFIT programには365日の訓練を可能とする仕組み,リハビリテーションの質を担保するためのコミュニケーションなどが内包されている.
訓練量の増加は片麻痺の改善,歩行能力の改善をもたらす.装具を用いた訓練難易度の最適化は大切である.さらに効率を高めるためにロボットやトレッドミル,安全懸架などの手段を用いたり,病棟での訓練を調整することも重要となる.