2017 年 54 巻 5 号 p. 330-334
変形性関節症はリハビリテーション領域で最も多い運動器疾患であり,高齢者では必発の病態であるのに加え,女性に多いという特徴がある.荷重・非荷重関節にかかわらず,増悪により日常生活に影響する原因疾患でありQOLを低下させる.ジェンダーとしての女性には家事・育児・介護などの役割のほか,ファッションへの関心など本疾患と関連して考察すべきことが多い.これらは複雑に絡み合っており,医学的視点だけでは解決が困難なものある.生物学的視点に加えジェンダーの視点とリハビリテーションの視点をもって疾患をより包括的に捉えることで,さらに細やかで効果的なアプローチが期待できる.