脳卒中患者のリハビリテーション治療過程では,患者の能動的参加が必要であり,モチベーションの高低が影響すると考えられる.モチベーションは,患者特性による固定的なものではなく状況依存的であり,患者を取り巻くさまざまな要因によって左右される.それらの要因について把握することで,モチベーションへの介入を行える可能性がある.また,訓練場面においても多様な動機づけの方略があり,それらを体系化しつつ実臨床で用いることが必要である.一方,モチベーションの高低と患者の行動は一致しないことがある.そのため,モチベーションへの介入のみならず,行動変容への具体的方策を同時に考えることが重要である.