日本放射線技術学会雑誌
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臨床技術
MR画像の合成処理を用いた骨座標系構築の評価
近藤 達也 八木 悠太齋藤 宏明金沢 勉斎藤 祐太朗
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2022 年 78 巻 6 号 p. 593-598

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抄録

【目的】MR画像の合成処理を用いた骨座標系構築の精度評価である.【方法】大腿骨座標系は牛大腿骨の全長を含む画像を用いて構築した.牛大腿骨全長のMR画像は,3ステップに分割して撮像した.それぞれのMR画像に三次元のひずみ補正処理を行い,合成処理を行った.合成処理をした牛大腿骨全長のMR画像を用いて,大腿骨座標系を構築した.MR画像から構築された大腿骨座標系をCT画像から構築した座標系と比較した.また座標系構築を複数回行い,再現性を検証した.大腿骨座標系構築における画像歪みの影響を検討するため,合成処理をしたMR画像の歪みを測定した.【結果】MR画像の合成処理を用いて構築した大腿骨座標系の中心位置は,CT画像から構築した座標系を基準として,X軸1.6±0.9 mm, Y軸1.5±0.8 mm, Z軸0.2±0.3 mm, それぞれの軸回転は1°以下であった.合成処理をしたMR画像の歪みは0.3%程度であった.【結語】MR画像の合成処理を用いた大腿骨座標系構築は,CT画像を用いた座標系構築と同等に扱える精度があった.大腿骨座標系構築において,MR画像の合成処理による影響は小さかった.

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© 2022 公益社団法人日本放射線技術学会
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