2022 年 78 巻 6 号 p. 599-607
骨の表面構造や立体構造を正確に理解し骨画像読影の補助を行うために,医学部解剖学実習室で使用している骨標本を用いて「骨標本ステレオX線解剖図」を作成したことを報告した.本報告では,ステレオ画像を裸眼で立体視することが困難な臨床の場や教育の場のスタッフのために,ステレオ赤青眼鏡を用いることで骨標本を容易に立体視できる「アナグリフ画像による骨標本ステレオX線解剖図」を追加作成した.また,このアナグリフ画像による骨標本ステレオX線解剖図も骨標本ステレオX線解剖図と同様に,データを電子ファイル化し,電子媒体を通して放射線検査の場や自宅など,いかなる場所でも骨標本と骨標本X線画像を対比し,その画像の立体観察がステレオ赤青眼鏡でできるようにオンラインで公開した.