2023 年 79 巻 1 号 p. 52-61
脳腫瘍術前検査において,歪みの少ない正確な解剖学的情報を取得することは重要である.磁化率アーチファクトの影響の少ないultrashort echo time(UTE)シーケンスであるPETRAを用い,inversion recovery(IR)法を併用したIR-PETRAのradial views(RV)およびinversion time(TI)の至適撮像条件を求め,MPRAGEとの比較を行った.その結果,IR-PETRAは至適条件下(RV=100,000, TI=500 ms)において,鮮鋭性はMPRAGEに若干劣るものの,高いRV値を用いることで大幅に改善し,SNRやCNRは同等以上となる結果となった.脳腫瘍術前検査においてIR-PETRAはMPRAGEの代替シーケンスになり得ることが示唆された.