日本臨床外科学会雑誌
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症例
上行結腸憩室による結腸・十二指腸瘻の1例
十倉 正朗上坂 邦夫勢馬 佳彦藤原 澄夫嶋田 安秀
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2008 年 69 巻 3 号 p. 604-608

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抄録
結腸憩室症による結腸・十二指腸瘻を経験した.症例は71歳,男性.胃・十二指腸潰瘍症状を呈し受診した.同様の症状が4年前にもみられた.発熱は無く,血液検査で炎症所見がみられた.腹部CT検査で上行結腸の腫瘍性病変と膿瘍性病変,十二指腸壁肥厚が指摘された.また受診6カ月前の腹部CTでも同様の所見が確認できた.病状は数年経過し,症状の軽快と悪化を繰り返していたと考えられる.胃腸透視で十二指腸下行脚に,注腸透視で上行結腸に互いに交通すると思われる瘻孔が確認された.上下部内視鏡検査では共に腫瘍性病変はなく,病変部の炎症性肥厚,外部からの圧排などが確認された.瘻孔を含む結腸と十二指腸壁切除,膿瘍掻爬を行った.切除標本で悪性所見はなく,憩室症と膿瘍による瘻孔形成と診断された.憩室が原因の結腸・十二指腸瘻の報告例はきわめて少なく,貴重な症例と思われたので報告した.
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© 2008 日本臨床外科学会
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