日本臨床外科学会雑誌
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症例
手術と化学療法で一時的に症状緩和が得られたG-CSF産生大腸癌の1例
住吉 宏樹横井 公良牧野 浩司金沢 義一山田 岳史内田 英二
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キーワード: G-CSF, 大腸癌, 化学療法
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1753-1758

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抄録

症例は44歳,男性.発熱,右季肋部痛を主訴に当院受診.白血球,CRP高値およびCTにて上行結腸癌が疑われ,また多発肝腫瘍を認めたため精査目的で入院となった.CT等の諸検査にて感染性疾患は否定的であり,大腸内視鏡検査を施行し上行結腸癌と診断.右半結腸切除術,術中肝生検を施行し,病理学的検査にてG-CSF産生大腸癌,多発肝転移の診断となった.
術後も発熱と炎症反応高値が持続.全身状態増悪傾向であったが,本人と家族の希望があり化学療法(mFOLFOX6)を開始し,3コース目よりBevacizumabを併用した.4コース後には全身状態良好となり退院,外来にて化学療法を継続した.その後,全身倦怠感を主訴に再入院し,入院後突然の意識消失出現し広範囲脳梗塞と診断.術後約4カ月で死亡となった.

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© 2012 日本臨床外科学会
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