日本臨床外科学会雑誌
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症例
術中迅速組織診が有用であった胆管断端神経腫の1例
後藤 航金沢 景繁塚本 忠司清水 貞利山下 好人西口 幸雄
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2015 年 76 巻 10 号 p. 2510-2515

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抄録
症例は73歳,男性.9年前に胆石性胆嚢炎に対して開腹下胆嚢摘出術が施行された.2年前に血清肝胆道系酵素値の上昇を認め,精査の結果,肝外胆管の狭窄が認められた.同部の生検組織で悪性所見は認められず,胆管ステントが留置された.3カ月前より頻回に胆管炎を生じるようになり,難治性良性胆管狭窄症の診断のもと手術を施行した.術中,胆管狭窄部に一致して腫瘤性病変が認められ,胆管癌を否定しえなかった.そこで,同部を術中迅速組織診に提出したところ,神経腫等の良性疾患が疑われたため肝外胆管切除術および胆管空腸吻合術を施行した.術後の病理組織診では胆管断端神経腫と診断された.術後経過は良好で,術後第10病日目に退院した.胆管断端神経腫は稀な疾患で,術前診断は困難であり,胆管悪性腫瘍との鑑別が問題となる.自験例では術中迅速組織診により悪性疾患を否定し,過剰な手術を回避することができた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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