抄録
症例は26歳の女性.生後5カ月時,先天性胆道拡張症の診断にて小児外科にて肝外拡張胆管・胆嚢切除術,胆管空腸吻合術を施行された.13歳時に肝内結石を指摘され,胆管炎治療するも再燃したため,内科治療は困難と判断されて手術目的に当科紹介となった.画像診断にて左肝管からB3にかけて限局する肝内胆管拡張とその内腔に多数の結石,下流の相対的胆管狭窄および胆管空腸吻合部狭窄を認めた.先天性胆道拡張症術後肝内結石と診断し,左肝切除術と胆管空腸再吻合術を施行した.術後合併症なく退院し,肝内結石再発や胆管炎症状再燃もなく経過観察中である.
先天性胆道拡張症術後肝内結石症は10年程度経過後に発症することが多く,自験例のように初回手術後20年を越えた外科治療施行症例は稀である.また,自験例では肝内結石治療に加えて,肝内胆管の相対的狭窄および限局性の遺残肝内胆管拡張の完全切除に肝切除術が有用と考えられた.