日本臨床外科学会雑誌
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症例
診断と治療に苦慮した胃異所性膵による膵炎の1例
橋本 好平水田 稔山本 澄治遠藤 出久保 雅俊宇高 徹総
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2015 年 76 巻 6 号 p. 1484-1488

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抄録
症例は44歳,女性.1カ月前からの心窩部痛で当院内科受診.腹部CT像にて胃膵間に炎症波及を伴う腫瘤像,上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部後壁に深い潰瘍性病変を認め,生検結果から良性胃潰瘍穿孔による限局性腹膜炎と考え保存加療で改善した.2年5カ月後に症状が再燃し,膿瘍の再燃,悪性腫瘍を疑い,待機的に開腹術を施行.術中所見では胃前庭部大弯から背側の壁に連続した硬化性腫瘤を認め,周囲から剥離可能であり腫瘍摘出術を行った.病理学的所見では膵との連続性を欠き慢性炎症像を伴う膵組織の診断で,異所性膵による膵炎の慢性膿瘍と考えられた.異所性膵は正常膵と連続性を欠き血行支配も異なる膵組織である.多くは無症状で経過するが,自験例のように症状を伴うもの,悪性化やinsulinomaが疑われるものは外科的治療対象となる場合がある.胃異所性膵に起因した慢性腹腔内膿瘍の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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